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| 濃い新緑の中の登り 撮影：ゆーたん |
| 笹子駅前から国道２０号線（甲州街道）を大月方向へ歩きます。１５分ほど歩き中央線のガードをくぐります。神社前を通り中央高速道の陸橋を渡ります。右手に公園を見て歩き大鹿川に掛かる橋を渡ります。橋から１００mほど進んだ右側に寂ショウ苑と書かれた板が付けられています。達筆な漢字で書かれていて、しかも古いのでほとんど読み取れません。林道から入って１００ｍほど行くと右側に寂ショウ苑の古い建物が出てきます。寂ショウ尾根へはここを左に入って進みます。直進すると途中から踏み跡が無くなります。樹林帯の中を進み２０分ほど歩くと送電鉄塔が出てきます。更に１０分ほど登っていくと林道に出ます。林道の直ぐ斜め向かいに「寂ショウ尾根」の道標が付けられています。最初は急な登りですが次第に緩やかになります。寂ショウ尾根は広くないので踏み跡はしっかり付いています。広葉樹林の尾根は新緑が見事です。適度に日も差して気持ちのよい登りです。 |
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| 標高１０００ｍくらいで鮮やかなヤマツツジが咲いている |
| 標高１，０００ｍくらいのところで色鮮やかなヤマツツジが出てきました。花の大きさは少し小ぶりな感じです。新緑の中で一際目を引きます。 |
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| 大きなブナの木に見とれて 撮影：タジ |
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| 岩場の登り 岩や木に掴まりながら登って行く 撮影：ゆーたん |
| 標高１，２７０ｍ位のところから岩場が出てきます。ここでストックをしまいます。ホールドの手がかり足がかりはしっかりしています。ルートには赤いペンキマークが付けられています。これを見落とさないようにして三点確保で登って行きます。 |
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| 岩場の連続 ロープや鎖場はほとんどない 撮影：ゆーたん |
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| 標高１３００ｍ付近はまだミツバツツジが咲いている |
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| 岩場から富士山の展望 手前右は三ツ峠山 |
| 標高１，３５０ｍ位から富士山方向の展望が開けます。正にこの展望は一幅の絵を見ているような感じがします。今日は高曇の天気です。キャンバスの背景はグレーの雲です。そこに白い雪をいただいた富士山がくっきりと聳えています。富士山の足元には角（電波塔）を生やした鬼（三ツ峠山）が控えています。 |
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| 岩場から富士山を眺めて一休み |
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| いよいよ岩稜帯にイワカガミ（岩鏡）が出てくる |
| 標高１，３９０ｍあたりからイワカガミがポツポツ咲き始めてきました。登るにつれてイワカガミの咲く数が増えてきます。標高１，４５０ｍ付近がこの時期一番咲いている部分でした。ピンク色の濃いのや薄いイワカガミが岩場にビッシリと群生して咲いています。標高１，４９０ｍ付近で岩場はなくなり、そしてイワカガミもなくなりました。岩稜帯は標高１，２７０ｍから始まり１，４９０ｍ間の約２２０ｍにあります。イワカガミの咲く地帯はそのうち標高１，３９０ｍから１，４９０ｍ間の約１００ｍに分布していることが判ります。 |
イワカガミ
岩場に生えることと光沢がある葉からイワカガミ（岩鏡）の名があります。イワカガミには多くの種類があります。本来のイワカガミの他に、高山性のコイワカガミ、関東地方に多いヒメイワカガミ、東海地方のヤマイワカガミ、日本海側のオオイワカガミなどよく似た亜種や変種が分布しています。箱根の神山のはベニバナヒメイワカガミと呼ばれています。坪山のイワカガミと滝子山のイワカガミは葉の形がよく似ています。そしてヒメイワカガミの葉に最も近いように感じます。 |
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| 岩場に咲くイワカガミの群生 撮影：タジ |
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| 山頂手前に咲くムシカリ（虫刈：別名オオカメノキ・大亀の木） |
| 岩稜帯の先は浜立山からの尾根と合わさり、更に登り下りをして行きます。やや低めの木に咲くのはムシカリの白い花です。葉っぱは丸くまるで亀の甲羅のようです。そのためオオカメノキ（大亀の木）の別名があります。急な登りのロープ場を乗り越えた、更にもう一つ先のピークが滝子山の山頂です。 |
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| 滝子山山頂 左が大谷ヶ丸、右奥が小金沢連嶺の黒岳 |
| 滝子山の山頂は細長くて狭いです。集合写真を撮るときは注意しないと後ろが危ない位の狭さです。ここからの展望は素晴らしいです。富士山の左側には杓子山、御正体山、丹沢の山々が見えます。足元には今朝ほど上ってきた麓の風景が見えています。中央高速や渡ってきた陸橋も見えています。富士山の反対側にはこれから登る大谷ヶ丸が尖った姿を見せています。大谷ヶ丸の右にはハバイマ丸、小金沢連嶺の黒岳、雁ヶ腹摺山が見えています。大谷ヶ丸の左側には奥秩父の国師ヶ岳が、更にその左に金峰山の雪と五丈岩が見えます。 |
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| 大谷ヶ丸へ行く途中。新緑のカラマツ林 |
| 大谷ヶ丸へ至る道は今までの寂ショウ尾根とは打って変わって緩やかです。滝子山からは標高差１００ｍほどを下ります。あとは緩やかな起伏を次第に登って行きます。このあたりはまだ春浅く芽吹き始めたばかりです。シダ類やヤブレガサも芽吹いて開いています。滝子山山頂から大谷ヶ丸を見たとき一帯は濃い緑に覆われていました。その濃い緑の中を歩いてみると、ここはカラマツの林でした。カラマツが芽吹き新緑を迎えています。 |
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| 大谷ヶ丸を目指して。緩やかな登り下りが続く |
足元の林床にはヤブレガサが多く、小さく白いワチガイソウや何種類かのスミレ類も咲いています。やや急な直登をこなした先に大谷ヶ丸山頂がありました。本日のコース最高地点１，６４４ｍです。大谷ヶ丸（おおやがまる）の周囲は樹木に覆われていて展望は開けません。大谷ヶ丸で１０分ほど小休止したあと米背負峠へ向かいます。やや急な下りです。下からマウンテンバイクを運んでくる若い男性と行き会いました。１０分強の下りで米背負峠へ到着します。
米背負峠は古くから国中（甲府市を中心とした一帯）と郡内（山梨県都留郡一帯）の交易の場でした。国中からは米穀を郡内からは絹布を互いに持ち寄り交換した場のようです。文字通り米を担いで運んだのが米背負峠（こめしょいとうげ）の名前の由来でしょうね。
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| 米背負峠からの沢沿に咲くムシカリ（虫刈） |
| ここからは比較的緩やかな沢沿いの下りになります。芽吹き始めた新緑の中に点々とムシカリの白い花が咲いています。沢に掛けられた丸太橋は古くて朽ちています。沢沿いにはハシリドコロが咲き始めています。またネコノメソウや珍しいチチブシロカネソウも見かけました。 |
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| 新緑の沢沿いの道を下る |
| 新緑を見ながら米背負峠から下ること４０分ほどで林道に出ます。ここからは長い林道を天目山温泉を目指して延々と下って行きます。途中で展望の良いところがあり南アルプスの山々が見えました。右から左へ甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、北岳、間ノ岳が白い雪をかぶって帯のように連なっています。長い林道を早足で歩き１時間強で天目山温泉に到着しました。途中には百数十ｍの真っ暗いトンネルがありヘッドランプが役に立ちます。天目山温泉から携帯電話でタクシーを呼びます。２０分ほどでタクシーはやって来ました。ただし、水曜日の場合は天目山温泉が定休日のため注意が必要です。天目山温泉は閉まっていて中にある公衆電話は使えません。ここで携帯電話が通じないと甲斐大和駅まで歩くことになります。ちなみにソフトバンクは通じず、ドコモは使用できました。多分ですがauも使えないかもしれません。
またバスは土日祝日以外は平日運行（季節運行便有り）はしていません。 |
| 水歩会では過去何回も大菩薩周辺を歩いてきました。上日川峠～大菩薩嶺～丸川峠、牛ノ寝通り、小金沢連嶺、大蔵高丸、滝子山などです。今回の寂ショウ尾根～滝子山～大谷ヶ丸～米背負峠を歩いたことで大菩薩、小金沢連嶺、南大菩薩を歩き通したことになります。経路は次の通りです。大菩薩登山口（大菩薩の湯）～丸川峠～大菩薩嶺～大菩薩峠～石丸峠～小金沢山～黒岳～湯ノ沢峠～大蔵高丸～大谷ヶ丸～滝子山～笹子駅、初狩駅。 |
かこ：暑くなるとの予報で気合が入っていたせいか、なぜかあまり飲料の消費が少なかった？２本でした。これがいいのか悪いのか解らない。じゃくしょう尾根、やはりなかなかきついものでした。足をのばし岩に取りついたりはかなり体力を消耗させます。頂上は人が一杯人気の山なんですね。初めての岩稜尾根良い経験でした。此れのすごいのが剣とかなんだろうなと思ったりしてます。